相続登記とは?

不動産の登記名義人が亡くなったときに、亡くなった方から不動産を相続した方に登記名義を移すことです。

どうして相続登記をするのか?

不動産の財産価値を活用したり、維持したりするために必要になります。

相続登記をして登記名義を得ていないと、その不動産についての権利を他者に主張できません。
自分のものであると主張できない以上、実際に売ったり担保に入れたりすることは困難ですし、他人に権利を侵されていても排除できません。

相続登記は、誰が行うのか?

相続登記を行うのは、その不動産を相続し、新しく登記名義人となる人です。

誰が相続するのかは、遺言書で指定されていれば、基本的にはその指定に従います。

遺言がない場合や遺言での指定を覆したい場合は、相続人間の協議で決めます。
協議は、単なる話合いのほか、遺産分割調停となることもあります。

遺言での指定がなく相続人の協議でも決まらない場合は、法定の割合で相続人同士で共有することになります。
もっとも、不動産が共有になってしまうと不都合が生じるので避けたほうがよいでしょう。
不動産が共有状態にあると、その不動産の利用・処分には共有者の同意が必要です。
例えば、賃貸に出すには過半数の同意が必要になり、売るためには共有者の全員の同意が必要になります。
特に、遺産分割協議で決められないほどに関係が悪化しているのであれば、同意を得ることは困難です。

このようにした結果、相続する人が一人に決まれば、その人が手続します。
どうしても決められずに共有になってしまう場合は、共有者全員で手続することになります。

相続登記はどこでするのか?

行う場所は、その不動産の所在地を管轄する法務局、いわゆる「登記所」です。
例えば、筑西市にある不動産であれば水戸地方法務局筑西出張所の管轄ですし、常総市にある不動産であれば水戸地方法務局下妻支局の管轄になります。

具体的な管轄は、法務局のサイトで簡単に確認できます。

なお、実際に窓口に出向いて手続をするほかに、管轄法務局への郵送による手続や、オンラインによる手続も可能です。

相続登記は、いつするのか?

相続が発生した後であれば、いつでも構いません。ただ、遅くすることにメリットはないので、なるべく早いほうがよいでしょう。

まず、相続登記は義務ではないため、期限はありません。
不動産の登記には、その不動産の概要を示す「表題部」と、その不動産の権利者を示す「権利部」があります。
このうち、表題部の登記は不動産登記法上の義務となっていて、怠ると行政上の秩序罰として過料の制裁がありえます(不動産登記法第164条)。
しかし、相続登記の対象になるのは「権利部」なので、義務となっておらず、怠っても制裁はありません。

他方、いつまでも相続登記をしないでいると、いざ相続登記をしようとした時には必要な資料が散逸してしまっていて、余計な手間や費用が生じるおそれがあります。
また、相続登記をしないうちに関係者が亡くなってしまうと、対象不動産がその関係者の相続財産の一部として扱われて相続税が余計に発生するおそれもあります。
そうでなくても、相続関係が複雑化して手続きが難航し、後の世代に禍根を残すことになります。

なお、固定資産税は相続登記をしていなくても実情に応じて課税されるので、相続登記をしないことの影響はありません。

いくらかかるか?

主な費用としては、登録免許税に加え、登記証明書代、添付資料の取得費用、提出のための交通費又は送料といった実費があります。
また、弁護士等の専門職へ依頼するのであれば、その報酬も必要になります。

登録免許税は、対象となる不動産の固定資産評価額に応じて算出されます(おおむね固定資産評価額の1000分の4です)。

専門職の報酬については、弊所へご依頼される場合ですと、こちらをご覧ください。

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